4月28日放送の今でしょ!講座より第二回目の科学の知識で料理をおいしくする特集が組まれていました。

今回は特売ステーキ肉を高級ステーキ肉に変える方法を前回の放送でもおなじみの水島弘史先生が紹介していました。

ステーキを作るときは赤身肉を利用します。それは肉のうま味成分であるアミノ酸が赤身肉に多いからです。科学的調理でうま味を閉じ込めてあげると高級ステーキの味と変わらないぐらいのものになります。

今回は100g・300円ぐらいのヒレ肉を100g・3000円のヒレ肉に近づけます。

特売品の牛肉と高級ステーキ肉の硬さの違いを見ると特売品牛肉は2Nに対して高級ステーキ肉は1.5Nです。高級ステーキのほうが圧倒的に柔らかく、水分も多く含まれ、肉の香りも違います。

肉の香りを改善する。

①特売品の牛肉のアクや臭みを取り除くため肉をサラダ油で浸したキッチンペーパーで包みます。油の量は100ml。キッチンペーパーが油でギトギトになるようにしてください。

②スライスした牛脂を並べてくるみます。肉の表面を表・裏ともに隙間なく牛脂で埋めます。牛脂で埋めたお肉を①で作ったサラダ油で浸したキッチンペーパーで完全に包みます。

 

和牛の牛脂を使う理由としては、和牛香という独特の香りが含まれています。この和牛香の中に含まれる成分の一つにラクトンがあります。このラクトン多いほど良い香りがするといわれています。安いお肉に香りをつけるための工程です。

そして、サラダ油ギトギトのクッキングペーパーに浸すと、肉が油っぽくなってしまいそうですが、この後に肉を焼くので表面についた余計な油は油っぽくならないそうです。

 

固さを改善する。

③上記のクッキングペーパーでくるんだお肉を、120℃のオーブンで15分焼き裏返してさらに10分焼く。計25分かかります。焼き上がりは表面が薄く白くなっている程度でOKです。

*注意するポイントは肉の下面が熱くなりすぎないようにバッドや皿の上に網を敷いた上に肉をのせるようにしてください。

この工程が必要な理由は肉の肉汁やうま味を逃がさないためです。いきなりフライパンで肉を焼くと急激に肉の温度が上昇します。そして急激な温度の上昇は肉の細胞を収縮させ、水分とうま味を逃がしてしまうことになるのです。ですので、この工程が必要なわけです。

この工程は時間がかかるので、先のお肉の準備をして、サラダを作ったり、ソースを作ったりするといいでしょう。

ジューシーさを改善する

④オーブンで焼きあがった肉に、肉の重さの0.8%の量の塩を振りかける。

塩を食材の重さの0.8%の量を使用します。その理由は、人間の体内の塩分濃度と近く、美味しいと感じるためです。

⑤フライパンに先ほど使った牛脂をのせます。そして、その後に肉をのせて強火でやきます。30秒程度焼き色が付く程度でOKです。

⑥焼き上げた後皿に移してからにコショウをします。

*アツアツのフライパンでコショウを振ると焦げて苦みがでるのでやめましょう。

⑦肉汁が外に流れ出ないようにアルミホイルに包み肉を休ませる。

肉が加熱されてすぐに肉を切ると、肉汁があふれ出て肉汁やうま味成分を外に出すことになります。そのため、細胞内の水分が落ち着くまで寝かせておく方が肉を切った時にうま味が外に逃げ出しません。

 

塩コショウはオーブンで焼いた後。塩を先にすると肉の水分が出てくるのでNG

美味しいステーキソースのつくり方

ステーキソースのベースは赤ワインみりん。

ワイン30g、みりん20gを混ぜ煮詰めとろみが出たら塩0.4gを加える。その後にバターを入れます。バターを入れたときのポイントは乳化をさせることです。そのためには混ぜ方に工夫が必要。バターを塊のまま置き、バターには触れずバターから離れた液体部分を混ぜるようにします。ゆっくりとバターを溶かしていきます。

 

林修さんも井ノ原さんも「うまい!柔らかい!!」の一言。

美味しいものをつくるには手間と時間がかかりますが、お金をかけなくても美味しく食べることはできるので明日にでも是非試してみたいです。